葉酸はビタミンB群の中の水溶性ビタミンです。
細胞の発育機能の正常化、正常状態での維持に働きをします。
体内では赤血球の形成過程に必須な補酵素で、妊娠中は葉酸の需要量が増加することから、妊婦には重要な栄養素です。
予防的な葉酸摂取により、神経管閉鎖障害(無脳症、二分脊椎など)の発生が30~70%低減化する効果が数多くしめされています。
厚生労働省の通達では「葉酸の摂取により一定の発症リスクの低減がなされるものと考えられる」と葉酸の効果が謳われています。
その他にも、葉酸欠乏と関連性が示唆されている先天異常については、口唇口蓋裂、四肢異常、ダウン症なども指摘されています。
また、生殖・妊娠異常や心血管異常などと葉酸との関連づけが指摘されています。
葉酸は、緑黄色野菜、果物などの身近な食品に多く含まれます。
また、レバーなどに多く含まれています。
食品 | 重量 | 葉酸含有量(料理前の成分値) |
ほうれん草2株 | 60g | 126㎍ |
ブロッコリー1/4株 | 60g | 126㎍ |
アスパラガス3本 | 60g | 114㎍ |
枝豆(ゆで) | 60g | 156㎍ |
糸引き納豆小1パック | 50g | 60㎍ |
いちご 6~7個 | 100g | 90㎍ |
牛レバー | 10g | 100㎍ |
鶏レバー | 10g | 130㎍ |
ホタテ貝 貝柱大3個 | 100g | 81㎍ |
ただし、葉酸は熱に弱く、調理に際して50パーセント近くが分解するか、水溶性のためにゆで汁に溶出することが多く、調理によって失われやすいことを考慮する必要があります。
厚生労働省の指針では、発症リスクの低減に有効である最小摂取量を、概ね1日0.4mgとしています。
野菜を350g程度摂取するなど、各食品について適正な摂取量を確保すれば、1日0.4mgの葉酸の摂取が可能です。
しかし、現状では食事のみからの摂取が困難な場合もあることなどから、「食事に加えいわゆる栄養補助食品により0.4mg/日の葉酸摂取」としています。
ただし、いわゆる栄養補助食品はその簡便性などから過剰摂取につながりやすいことも踏まえ、高用量の葉酸摂取はビタミンB12欠乏の診断を困難にするので、医師の管理下にある場合を除き、葉酸摂取量は1日当たり1mgを越えるべきではないとしています。
詳しくは、厚生労働省「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」を参考にどうぞ